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2020年6月1日

自社ECサイトで売り上げを伸ばすには?

こんにちは!川谷洋史です。

ウェブ解析士とは何かをご紹介しようと思うのですが、最近コロナウイルスの巣ごもり需要の高まりもあって、自社ECサイトを構築したいという相談をよく受けます。
そこで、今回は自社ECサイトの基本的な考え方について、ウェブ解析士で学ぶ内容を交えながら書いていこうと思います。

 

ECサイトの売り上げの公式とは?

ECサイトの売り上げの公式で一番基本的なものに、売上=セッション×CVR×客単価
という公式があります。

ここで、セッションとは、ある期間にサイトを訪れた訪問回数の合計です。
CVRはコンバージョンレートの略で、客単価は一回のお客様の購入金額の平均値です。
コンバージョンとは、ウェブ解析士の世界では、CV(シーヴイ)と略してみたり、コンバージョンをロゴとして胸にいれたTシャツにする人がいるくらい当たり前の用語ですが、一般の世界ではそこまで当たり前ではない用語なので気を付けましょう。(自戒を込めて)日本語では、成約数、契約数、売れた回数です。

セッションと紛らわしい用語としてユーザー数という言葉がありますので、少し立ち止まって説明をしたいと思います。

ユーザー数とセッションの違いとは

一旦、ウェブの世界を離れて、私がユニクロの路面店に買い物に行ったとします。一度店に入って、店内を見渡して、何も買わずに店を出たとします。
その後、カフェに行った後、もう一度ユニクロに入って、一つ2000円の商品を買ったとします。

この場合、ユーザー数は、私一人で1人とカウントします。
セッションは、ユニクロに何回行ったかという回数を指します。今回の場合は2回ですね。
その日、私しか買った人がいなかった場合、その日の客単価は2000円です。

ウェブの世界では、厳密には、私がユニクロを出てから二回目に行くまでの時間などによってセッションが1になったり2になったりします。
この辺はウェブ解析士の講座を受けるとセッションが切れる条件を学びますので、興味のある方はぜひウェブ解析士を受講してみて下さい。

ここで、どうして、「売上=ユーザー数×CVR×客単価」にしないのか疑問に思った方はいませんか?

それは、ユーザー数よりもセッションにした方がコンバージョン数が測定しやすいからというのが、答えになります。

例えば、同じECサイトで、自分用にお肉を買って、両親にもお肉を買うという風に、立て続けに2回買い物したときに、同じ人が買ったので1回の買い物と計測することを、「コンバージョンをユーザー数に紐づける」と言います、2回の買い物と計測するのが「コンバージョンをセッションに紐づける」と言います。

そこで、問題となるのが、コンバージョンをどのように測定しているかということです。
大抵の場合、お買い上げいただきましてありがとうございますという画面(thanksページ)に移行した時に購入完了として設定します。
(具体的にはそのページが表示されたら、グーグルアナリティクスに売れたよーと合図を送れる仕組みがあると考えてください。)

ですので、thanksページを何回見たかがコンバージョンの回数になります。上記の事例の場合、購入完了画面を二回見ていますね。
コンバージョンの回数がセッションに紐づくので、セッション×CVR×客単価を売り上げの公式としているわけです。

グーグルアナリティクス以外で測定する場合には、セッションの所がユーザー数である場合もあります。
売上の公式でセッションを使うのは、あくまでもグーグルアナリティクスで直接CVRが見れるという点で便利だからです。

 

自社ECサイトのCVRの平均値とは?

これは、業種ごとでも違うのですが、一般的には1パーセント程度と言われています。
楽天やAmazonなどのモールだと購入意欲のある人しか見に来ないので、6%から8%くらいです。

そこで、セッションの閾値(しきいち)として一日に100セッションというのが、ウェブ解析をするためのひとつの基準となってきます。
一日100セッションで1パーセントの確率で購入されるということは、1日1件売れるということですね。
そういうわけで、自社ECの運営をはじめたばかりの頃は、一日100セッションを目標に頑張りましょう。

 

客単価はどのようにして設定するか?

客単価に入る前に、一つ問題を出すので考えてみて下さい。新しく始めるECサイトに、20商品あったとします。
この場合、以下のAとBどちらが売れているECサイトでしょうか?

A、1つか2つの商品がずば抜けて売り上げを占めており、残りの商品はあまり売れていない
B、20商品が満遍なく売り上げを上げている

皆さん、どちらが売れていると思いましたか?偏りがあるAより、バランスのいいBの方がいいECサイトだと思いませんか?

実は正解は、Aの方が売れているECサイトになります。

私も自社で製造、販売を行っているので、商品開発も自身で行います。そうすると、すべての商品に愛着がでてきます。
そうなると、満遍なく全部を売りたくなるのですが、そこが大きな落とし穴です。

はじめてECサイトに来る消費者にとっては、選びにくさというのが一番のハードル(離脱の原因)になります。
リアルな店舗のように、当意即妙な対応はAI接客ツールが発展した現在でもウェブサイト上ではほとんどできません。
ですので、20商品あるのだとしても、セット商品やはじめてセットなど自社の商品の魅力を詰め込んだ商品(入口商品と呼びます)
を一つは作ってサイトの一番目立つ場所にバナーを設置しましょう。できれば初回送料無料で購入のハードルを下げましょう。
(実際に、店頭に立つと分かりますが、リアル店舗でもほとんどの人がどれが売れ筋ですか?と聞いてこられることが多いです。つまりはウェブサイト上の売れ筋ランキングなどは選びやすさの代表コンテンツとも言えます。)

入口商品だからといって赤字にまでする必要はありませんが、そこで大きな利益を出そうとするのも誤りです。
客単価の設定のところで、なぜこのお話をしたかというと、自社ECサイトは、リピートして貰わないと利益が出ません。
入口商品を通して、自社のサービスに興味のある顧客のメールアドレスやLINEをゲットして、メルマガやLINEの配信などで二回目、三回目と購入して貰う必要があります。

はじめたばかりの頃は、新規ばかりなのですが、軌道に乗ってきた段階で、新規の売り上げとリピーターの売り上げが3対7くらいにならないと利益を出すのは難しいです。
はじめて購入した方の客単価と二回目以降購入者の客単価が1対2、1対3くらい必要で、客単価は入り口商品の1.5倍から2倍程度を目安にしましょう。

 

CVRをあげるには?

客単価の所で書きましたが、選びやすさを重視することです。全ておススメしたい気持ちをぐっとこらえて、入り口商品やランキングを設置しましょう。
(はじめたばかりで商品点数が少ないところもセット商品を作りましょう。)

 

セッションを増やすには?

Googleやヤフーなどの検索窓で自社の商品の一般名を検索した時に上位に表示されればいいですが、はじめたばかりの頃はほぼ不可能です。
ワードプレスで記事を作る、すべてのSNSを頑張ると同時に、序盤はリスティング広告を使わざるを得ません。
FacebookやInstagram、LINEの興味関心に基づいた配信では、自社の商品に興味のあるユーザーを絞ることが困難ですのでなるべく避けましょう。

Googleのキーワードプランナーなど月間の検索ボリュームが大まかに分かるツールがありますので、そちらで獲得単価が低めで検索数が一定数あるキーワードを自社の商品を見つめて考えましょう。
例えば、CPC(クリック単価)が30円で、毎日90ユーザーを集めるとしたら、1日2700円かかります。
1ユーザーあたり、1.2セッションしたとしたら、108セッション集めることが出来ます。

CVRが1パーセントとすると、1件売るのに2700円かかったことになります。
商品価格が5000円で送料900円、広告費2700円とした場合、製造原価、販管費をどれくらいに設定したらいいかが分かります。

サイトが成長するにつれて、広告で集めるユーザー数も減っていき、リピーターも出てくるので、少しずつ楽にはなりますが、
はじめは、1つのメールアドレスを数百円払うか、良くても1つ売れて数百円の利益といった感じで推移するので、
気が遠くなります。ですので、入口商品の価格設定やどのキーワードを買うか、何年目で回収するかをエクセルなどでまとめるという計画がいかに重要かがお分かり頂けると思います。

 

SEOについて

まずは、自社の商品のこだわりや商品紹介、ストーリーをどんどん書きましょう。その際に、本で言うところの見出しを設定することだけは意識しましょう。
書く前に見出しを書いて、見出しごとに文章を書いていくといいでしょう。
商品ページとコンテンツのタイトルタグとh1、h2、ディスクリプションに狙いたいキーワードは必ず入れましょう。
その他にも細かいことは沢山ありますが、一番大切なのはその点です。

 

内発性と外発性どちらで生きるのか

このように考えていくと、製造原価が低くて、客単価が高くて、CPCが低くてという風に自分がやりたいことよりも、マーケティングのことばかりを考えてしまいがちです。
損得だけにとらわれて何のためにビジネスをしているのか分からなくなってしまう可能性があります。

正しさよりも損得が重視されているからこそ、データドリブン、ウェブ解析が注目されているのかもしれませんが、私は、内から湧き上がる内発性、正しさで何かを作っている人を支えるようなウェブ解析士でありたいと思っています。