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2020年5月29日

【窪田】ウェブ解析士マスター合格する難易度、カリキュラム、合格率、金額、メリットは?生々しく思い出を振り返りながら考える

ウェブ解析士マスターって何?

ウェブ解析士を受講した人は3万7000人います。これは世界最大規模です。しかも、その数は年々増大しています。ウェブ解析士という資格制度は3段階存在します。

  • ウェブ解析士
  • 上級ウェブ解析士
  • ウェブ解析士マスター

この3段階をウェブ解析士協会が説明した図が以下の通りです。

このウェブ解析士マスターは119名しか存在しません。つまり、受講者のうち、0.3%しかウェブ解析士マスターにはなれないという計算になり、非常に狭き門と言えるのです。

私はウェブ解析士を2012年12月16日に合格し、それ以来、マスター講座は二の足を踏んでいました。その理由は、以下のような疑問があったからでした。

  • 難易度はどの位?
  • 合格のためにやらないといけないことは?
  • 役に立つの?カリキュラム、授業内容は?
  • 合格率は?
  • 金額が30万円。それだけの価値はあるの?
  • その後の活躍・メリットは?

せっかく受講したので、その時の様子を振り返りながら、生々しく日々の思い出を振り返っていきましょう。

難易度はどの位?

いきなり、難易度についてですが、鬼難しいです。死ぬほど大変です。今の時代、あり得ないほど寝れないです。実際、僕は合格するために、土日はほぼほぼフルタイムマスター講座に使いましたし、直前期は徹夜も経験しました。なめてかかると跳ね返されてしまうほど、大変だと思っておいた方がいいです。

何が難しいのか。本質的だから難しいのです。ウェブ解析士協会の経営者だったとして、どっちに向かうべきか、という真剣な問いに対して、データを解析し、次の一手を導き出す必要があります。これは非常に、非常に難問です。

この難しさには、全員頭を悩ませます。問題の定義が曖昧だ、と怒る人もいるかもしれません。この情報が足りないじゃないか、と言う人もいるかもしれません。ですが、実際の経営ってそもそも、問題の定義すら自分でやらないといけなかったりします。情報も足りないことばかりです。あろうことか、リソースだって万全なことはいつだってないし、今の自分の能力だけだとたどり着けない難問ばかりが待ち受けています。

つまり、ウェブ解析士マスターになるためには、理不尽にも思える現実の課題に真剣に向き合うことを求められます。実際、いざマスター講座が始まると、やめてしまう人が出てしまいます。実際、僕らの時もありました。それぞれに優秀で、今後も別の局面ではご一緒したいな、と思える人たちばかりですが、合格までやりたければ、絶対に合格するぞ、と言う気合いは必ず求められると思ってください。また、時間をかけることも求められます。では、合格者が全員時間に余裕があったかと言うと、答えは真逆で、全員非常に忙しい人しかいなかったんですね。

つまり、時間管理能力が非常に高いレベルで求められます。これも現実世界と一緒ですね。限られた時間の中で、最高品質のものを作る。これはいつだって私たちに付きまとう問題ではないでしょうか。

ここでこの問題について、まとめましょう。問題の難易度について。最難関。だけど、現実の社会構造と同じ種類の難しさがやってきます。修行をしてから現実問題を解きたいタイプか、手ぶらで勝負を挑みたいタイプかの違いだけがそこには存在しています。

ウェブ解析士マスター合格のためにやらないといけないことは?

ウェブ解析士マスター合格のためにはマクロレポート・ミクロレポート・ロープレの3つの試験に合格する必要があります。

マクロレポートでやること

ウェブ解析士協会自体の生々しいデータが開示された上で、ウェブ解析士協会の事業に貢献するための課題解決施策立案レポートを作ります。その際に与えられるデータは以下の通りです。

  • 講義で使う資料一式
  • Google Analyticsのデータ一式
  • ヒートマップデータ一式
  • どこどこjpのデータ一式
  • Facebookビジネスマネジャー権限
  • Google広告権限
  • ヒートマップツール PTENGINE権限
  • EFOツール EFOゴリラ権限
  • Web接客ツール FARO CTA権限
  • 事務局からの提供データ
  • 2017年までの受講者数データ
  • 2018年の受講者数データ
  • 2019年の受講者数データ
  • 会員更新状況2019->2020
  • 名簿登録者数
  • 実績掲載数データ
  • 求人掲載ページ更新状況
  • 法人企業会員数
  • その他、GA以外のツール情報
  • 2018年アンケート
  • 2019年アンケート
  • 受講者のNPS

こういった多種多様なデータが与えられます。こういったデータからいくつかの設定課題を解き、自分なりの答えを導いていくレポートを完成させていきます。このレポートを作るのはとっても大変です。ただ、嬉しいのは「先輩のレポート」をもらうのが許されていること。過去の先輩マスターはどんな施策を考えたのか、を聞いて回ることが出来ます。大抵のマスターは快く承諾してくれ、過去のレポートを見せてくれます。

これって実はすごいことだと思います。例えば、同じ業界の別の人が作っている提案資料って絶対に見れないですよね。

そんなことない、と思う人は、「あー、あのですね。他社の提案資料見たいんで、見せてもらっていいですか?」って競合に聞いてみてください。普通は張り付け獄門の刑なわけです。でも、マスター講座は違うんですね。みんないかに大変かというのを知っているので、快く見せてくれる。我々47期のサイトでもダウンロードできるコーナーを用意する予定です。

マクロレポートには論理の繋がりが明確に求められます。KGI/KSF/KPIを自分で設定し、なぜこの施策をやればこの数字になるのか、を説得力持って説明する必要がありますし、ワクワクさせる力強いプレゼン力も求められます。

ミクロレポートでやること

Google Analyticsには、ユーザーエクスプローラー機能があります。これは一人一人のユーザーの動きを追うことができる機能のことです。このページをこの位滞在したあとで、このページに行ったと言う行動ログが1つ1つ掲載されています。また、どこどこjpを使って、このユーザーの会社名も調べることが出来ます。そこからどんな会社の人がアクセスしていて、どんな行動をしているのかを推測出来ます。

「ミクロ解析レポート」では経路分析、ペルソナ、カスタマージャーニーマップ、改善提案などを実際に作成し、そのユーザーをハッピーにする施策を考えます。

これも超大変です。アクセスログと言う限られたデータから、このページの時の気持ちを考え、先回りして、ページの改善策を考えるわけですから、簡単ではありません。

ロープレ試験でやること

ロープレ試験は、ウェブ解析士認定講座・上級ウェブ解析士講座・ウェブ解析士マスター講座・Google Analytics講座・上級Google Analytics講座についてのクリティカルな質問をいきなり振られ、解説を求められる試験です。「ブルーオーシャン戦略について説明してください。」のようにいきなりキーワードを出され、それについてのミニ講義を行います。

このロープレの難しさは「初心者に教える体で、プロが審査する」二重性にあります。初心者は難しい単語を使うとわからないので、簡単に説明する必要がありますが、簡略化しすぎて、間違ったことを伝えてしまってはいけません。簡単にわかりやすく、プロも納得する講義にするためには、より深くその内容を理解しておく必要があります。

47期の場合、みんなで協力して、対策キーワードのカンペを作る作業をしました。(カンペを作るのは、協会として公式に認められています。そして、カンペを作ったからと言って、カンペを凝視しながらプレゼンをしたら不合格になるため、結局は頭に入れないといけません。)そして、ロープレ試験の対策として、8日間試験とは別に時間をとってもらい、対策しました。ここまでやると同期とは自然と仲良くなりました。「47期って仲が良いよね」といろんな人から聞かれるのですが、それはある意味当然です。一緒に死戦をくぐったら仲良くなるに決まっているんですね。嘘だと思うなら、必死に誰かと何かを一緒に成し遂げて見てください。仲良くならないはずがありません。

合格のために必要な3つのこと、まとめ

マクロレポート事業貢献するための課題解決施策立案レポート
ミクロレポートユーザーをハッピーにするためのレポート
ロープレウェブ解析士認定講座・上級ウェブ解析士講座・ウェブ解析士マスター講座・Google Analytics講座・上級Google Analytics講座についてのクリティカルな質問をいきなり振られ、解説を求められる試験

 

合格率は?

これは期によって違うみたいです。47期は6名の合格者でした。最初は15名だったため、40%でしょうか。しかし、前期は33%だったそうですし、お金さえ払えば合格すると思っていたら、痛い目に合います。2年くらいかけて合格した先輩の話も聞きました。はっきり言って簡単ではなく、狭き門なのは言うまでもありません。

役に立つの?カリキュラムは?

では、そうまでして大変なウェブ解析士マスター、役に立つんでしょうか。個人的には非常に役に立ちました。何よりも実感しているのはコンペ案件に勝ちやすくなったことです。論理的でインパクトのある改善施策を考えることができるようになるので、クリティカルな資料が作れるため、受注単価や成約率が大幅に向上しました。

金額が30万円。それだけの価値はあるの?

実際に受講して合格した今となっては、正直安かった、と言う風に思っています。この作業、突き詰めれば、自分でもできるはずなのですが、人は弱いです。言い訳もします。自分にはどうしても甘くなってしまう。しかも、例えば、資料は並でもプレゼンで誤魔化すみたいなことが現実には出来たりします。

しかし、レポートに合格するためには、それが出来ません。なんと匿名でのレポート提出が求められます。さらに、3名の匿名マスターが試験の審査をします。徹夜して作ったレポートに対して、ボコボコに言われたりします。普通、ビジネスの世界だとそこまでのことは言われません。静かに不採用になるだけです。ですが、ボコボコに言われたとしても、その指摘事項で自分の限界だと思っていた箇所を鍛え、ググッと成長することが出来ます。これはこう言った講座がないと実現できないことと言えるでしょう。

その後の活躍・メリットは?

合格後、まず真っ先にやったのはシンガポール講演でした。

これは江尻さん森永さんの計らいで実現したことです。コロナの影響で、オンライン講座だったものの、200名も集まる大イベントになりました。江尻さんはいつも大きなチャンスを作ってくれる人で個人的には心の底から尊敬しています。森永さんもマスター講座のためのロープレ練習会に何度も付き合ってくれました。正直、うちの期は本来の授業の他に何度も何度も自主練をしました。その度に、宮原さん、寺岡さん、山口さん、中村さん、桃谷さん、久保田さん、石本さん、沖本さんなどが付き合ってくれました。自主練参加は完全にボランティアですからね・・・。普通は付き合ってくれないんです。でも、ウェブ解析士協会のいいところはこう言うところで、みんなコミュニティーをすごく大切にしているところがあるんです。苦労した経験がある分、学ぼうともがいている人には、やさしく手を差し伸べてくれる人ばかりなんです。

寺岡さんはロープレの板書が見事でした。説明をする人の理解のスピードに合わせて板書をしてくれるので、丁寧なビジュアライズをしっかりとやってくれます。「このスピードでこう言う風に図示すれば確かにわかりやすい!」と感じることが多かったです。

宮原さんは誰よりも受講生のことを助けようと言う気持ちが強いんだと思います。土曜日にスーパーにいる時に受講生から連絡がきてすぐにフィードバックをした、などの話が実際にあります。私もマスター講座が終わった後もわからないことを聞くと的確に教えていただけます。

山口さんは本質を見抜く力がずば抜けていました。理論に少しの飛躍があると、そこを的確に言語化して、説明してくれました。そのため、理論飛躍がなく、納得感のある資料の作り込みができるようになり、能力がアップしたのを実感することができました。

中村さんから教えてもらったパワポのデザイン方法は神がかっていました。デザインセンスが非常に良い人はパワポもいきなり書き始めず、しっかり色やフォント、テーブルの設計を行って作っていく。その方法論を初めて知りました。

桃谷さんは誰よりも優しかったです。何度も徹夜作業していると、どうしても凹んだりもするのですが、誰よりも受講者に近い立場で話を聞いてくれました。自暴自棄になりそうだった時に察知してくれて、すぐに立ち直るように導いてくれたのは感動したのを覚えています。

沖本さんはロープレ試験の前に、47期全体に優しくアドバイスしていただけました。ロープレ試験は、内容、態度、事例、言い切りの4ポイントで評価されますが、その4つについてのポイントを丁寧に教えてくれました。

そして、もちろん、同期。ここはもう完全に宝物です。私は昔、「大人になってからは友達はできない」と言う言葉を聞いて、すごく悲しくなったことがあるんです。でも、あれは嘘でした。大人になってからは(挑戦しなくなると)友達はできない、だけです。壁を壊せば、自然と友達は増えます。むしろありとあらゆる人と繋がれて、一緒に遊べるようになります。挑戦すること、をやめない限り、最高の友達はどんどん増えるのです。

47期のこの格好良いサイトは、M DESIGN LABOの山内さんが作ってくれました。
このサイトにはどこどこjpを世良さんがすぐに入れてくれました。
某大手広告代理店でECを担当している高木さんは、47期グッズを販売するECサイトを作ってくれました。
テレビ出演しまくって大忙しの低糖質パンの販売サイト「フスボン」の川谷さんがサイトマップを作ってくれ、
実はメンサ会員と言う才女の田中さんは誰よりも早くプロフィールページの充実と記事の公開をしていました。
私はすぐにKOBITのこのサイトへの導入を決めました。

このサイトだって完全に思いつきです。「こんなのやった面白くね?」「ワハハ」。
こんな会話をした数週間後、「できたわ!」みたいな感じでいつの間にか出来上がってました。

こんな最高の同期と、一緒に新しいことを企てることができるのは、戦友として共に汗を流したからです。

まとめ

全員にウェブ解析士マスターが必要なのか、と言われると、考え方次第だと思います。ですが、ウェブ解析の分野で一流を目指すなら、この資格を取らない理由はないと思います。また、窪田にとってマスター講座はよかったのか、と聞かれれば、胸を張って「すごくよかったよ!」と答えられます。さて、マスター講座を受けるか受けないか、迷っている人へアドバイス。

え、まじで?やるの?超大変だよ!?
でも乗り越えると、超最高だよ!

参考リンク:ウェブ解析士協会

最後になりますが、マスターまでは行かないけど、ウェブ解析士に興味があると言う人のために、YouTubeチャンネルを開設しました。よろしければ、ご覧になってください。ほぼ毎日更新していますので、チャンネル登録していただければ、マーケティングの能力が向上することでしょう。

それでは、またどこかで!

窪田望のTwitter :https://twitter.com/cnxt_nozomu